「もし、私たちが動物を切り刻むのは、彼らがそれを防ぐ手段を持たず、生存競争において自分たちの側を支持しているからだという理由だけだとすれば、同じ理由で知的障害者、犯罪者、敵、あるいは資本家を切り刻むことも論理的だということになる」
画像のクレジット表示:Aronsyne,”Lewis, age 48″,CC BY-SA 4.0,C.S.-Lewis – C. S. Lewis – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia
- 1898年11月29日~1963年11月22日
- アイルランド出身
- 作家、学者
- 『ナルニア国物語』シリーズや『キリスト教の詩学』など、多くの著作を通じてファンタジー文学と宗教思想に大きな影響を与えた
英文
“If we cut up beasts simply because they cannot prevent us and because we are backing our own side in the struggle for existence, it is only logical to cut up imbeciles, criminals, enemies, or capitalists for the same reasons.”
日本語訳
「もし、私たちが動物を切り刻むのは、彼らがそれを防ぐ手段を持たず、生存競争において自分たちの側を支持しているからだという理由だけだとすれば、同じ理由で知的障害者、犯罪者、敵、あるいは資本家を切り刻むことも論理的だということになる」
解説
この名言は、C・S・ルイスが動物に対する人間の扱いと倫理について警告を発している言葉である。彼は、生存競争の名のもとに弱者を搾取する論理を批判し、その論理を他の対象に適用した場合の危険性を明らかにしている。この一節は、倫理が単なる実利主義に基づいていると、暴力や非人間的行為が正当化される危険を指摘している。
ルイスは、人間が動物を扱う基準を、他の人間や弱い立場の者に適用した場合、道徳がいかに崩壊するかを描写している。彼の主張は、倫理が力や効率性だけでなく、普遍的な尊厳や道徳的原則に基づく必要性を強調している。この視点は、動物実験や自然環境への介入、さらには社会的弱者に対する扱いに関する現代的な議論にも通じる。
この名言は、現代社会における倫理的選択に関する重要な教訓を提供する。たとえば、動物福祉や人権問題、さらには環境倫理の文脈で、ルイスの言葉は、短期的な利益や権力の論理ではなく、より広い道徳的枠組みに基づく選択の重要性を思い出させる。また、この名言は、倫理が特定の対象に限定されるべきではなく、全ての生き物に普遍的に適用されるべきだという強いメッセージを発している。
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