「客観的価値への確固たる信念は、専制ではない規律や奴隷的ではない服従という考えそのものにとって必要不可欠である」
画像のクレジット表示:Aronsyne,”Lewis, age 48″,CC BY-SA 4.0,C.S.-Lewis – C. S. Lewis – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia
- 1898年11月29日~1963年11月22日
- アイルランド出身
- 作家、学者
- 『ナルニア国物語』シリーズや『キリスト教の詩学』など、多くの著作を通じてファンタジー文学と宗教思想に大きな影響を与えた
英文
“A dogmatic belief in objective value is necessary to the very idea of a rule which is not tyranny or an obedience which is not slavery.”
日本語訳
「客観的価値への確固たる信念は、専制ではない規律や奴隷的ではない服従という考えそのものにとって必要不可欠である」
解説
この名言は、C・S・ルイスの著作『廃された人間』(The Abolition of Man) における中心的なテーマを反映しており、客観的な価値基準の重要性を説いたものである。ルイスは、倫理や道徳が普遍的で客観的なものでなければ、ルールは専制に、服従は奴隷的なものに堕してしまうと警告している。この言葉は、個人や社会の秩序を支えるために、客観的な道徳的価値が不可欠であるという信念を表している。
客観的価値とは、文化や時代を超えた普遍的な善悪や正義の基準であり、ルイスはこれを「タオ」と呼んだ。彼は、もし価値観が完全に主観的で相対的なものであるならば、権力を持つ者が独自の価値観を押し付ける危険性が生じると主張している。一方で、客観的価値が存在すれば、それが全ての行動やルールを正当化する土台となり、自由で正しい秩序が保たれる。
現代社会において、この名言は道徳相対主義への警鐘ともいえる。個々の価値観や意見が尊重される一方で、共通の基準が失われることで社会の分裂や混乱が生じる危険がある。ルイスの洞察は、普遍的な価値観を共有することが、真に自由で公正な社会を築くための鍵であると示唆している。この言葉は、倫理や法、教育における基盤を問い直す重要なメッセージを提供している。
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