「悪魔たちの指導者、つまり独裁者であるサタンは、神の対極ではなく、ミカエルの対極である」
画像のクレジット表示：Aronsyne,”Lewis, age 48″,CC BY-SA 4.0,C.S.-Lewis – C. S. Lewis – Simple English Wikipedia, the free encyclopedia
- 1898年11月29日～1963年11月22日
- アイルランド出身
- 作家、学者
- 『ナルニア国物語』シリーズや『キリスト教の詩学』など、多くの著作を通じてファンタジー文学と宗教思想に大きな影響を与えた
英文
“Satan, the leader or dictator of devils, is the opposite, not of God, but of Michael.”
日本語訳
「悪魔たちの指導者、つまり独裁者であるサタンは、神の対極ではなく、ミカエルの対極である」
解説
この名言は、C・S・ルイスの著作『悪魔の手紙』(The Screwtape Letters) に見られる思想を反映している。この言葉は、サタンの本質や位置づけに関する誤解を解き、神と悪の力をどのように捉えるべきかを示唆している。ルイスは、この一節を通じて、サタンを神と対等な存在ではなく、被造物としての天使の一存在として描いている。
ルイスの主張は、神が絶対的な創造主であり、サタンを含めたすべての存在を超越した存在であるというキリスト教神学に基づいている。サタンは、かつて天使であったが堕落し、ミカエルや他の天使たちとの対立に立つ存在である。この視点は、サタンが神と戦う「ライバル」ではなく、むしろ神の計画の中に置かれた一つの要素であることを強調するものだ。
この名言は、善と悪の戦いを単純な二元論として捉える現代の考えに対する挑戦ともなる。神とサタンを対等に見なすことで、人々は悪を必要以上に大きな力として捉える危険がある。ルイスの洞察は、悪は決して神の絶対的な力を脅かすものではないという希望を提示し、読者に神の主権と計画に信頼を置くよう促している。この視点は、信仰の強化と悪への適切な対処法を考える上で有益である。
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