「私の作家たちへの綿密な観察によると、彼らは2つのグループに分けられる――1) 悪い批評を受けて大量に目に見えて血を流す者と、2) 悪い批評を受けて大量にひそかに血を流す者」
- 1920年1月2日~1992年4月6日
- ロシア出身
- 作家、生化学者(教授)
- 『ファウンデーション』シリーズや『ロボット工学』シリーズなど、多数のSF作品を執筆した
英文
“From my close observation of writers… they fall into two groups: 1) those who bleed copiously and visibly at any bad review, and 2) those who bleed copiously and secretly at any bad review.”
日本語訳
「私の作家たちへの綿密な観察によると、彼らは2つのグループに分けられる――1) 悪い批評を受けて大量に目に見えて血を流す者と、2) 悪い批評を受けて大量にひそかに血を流す者」
解説
この名言は、作家の繊細な心理を鋭く捉えたものだ。アイザック・アシモフは、どんな作家も悪い批評に対して強い感情的影響を受けるが、それが外部に明らかになるか、それとも内面に秘められるかの違いがあるだけだと述べている。創作という行為が、作家自身の内面的な自己表現であるがゆえに、批評は個人的な攻撃のように感じられることが多い。
アシモフは、膨大な著作を世に送り出した一方で、批評に対しても深く敏感であった可能性が高い。彼自身がこの名言に表れた両方のタイプの作家を知り、自身の経験を反映させたのだろう。作家にとって、自分の作品が否定されることは、自己の一部を否定されるような感覚をもたらす。どちらのタイプであっても、批評に対する「血を流す」という比喩は、創作者の感受性とその代償を象徴している。
現代のクリエイティブ分野でも、この名言は当てはまる。SNSやオンラインレビューが普及した現在、創作者が批判を受ける場面はますます増えている。悪評に対して表向きには平然としている人でも、内心では深く傷ついていることが多い。アシモフの言葉は、創作者が直面する内的な痛みと、それを乗り越える精神力の必要性を理解する手助けとなる。創作物が評価されるだけでなく、受け入れられる喜びや批判をどう受け止めるかが、創作者としての成長を決定づけると言える。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?