「個々のSF小説は、今でも目の曇った批評家や哲学者には取るに足らないものに思えるかもしれない。しかし、SFの核心、本質は、もし私たちが救われるとすれば、その救済にとって極めて重要なものとなっている」
- 1920年1月2日~1992年4月6日
- ロシア出身
- 作家、生化学者(教授)
- 『ファウンデーション』シリーズや『ロボット工学』シリーズなど、多数のSF作品を執筆した
英文
“Individual science fiction stories may seem as trivial as ever to the blinder critics and philosophers of today – but the core of science fiction, its essence has become crucial to our salvation if we are to be saved at all.”
日本語訳
「個々のSF小説は、今でも目の曇った批評家や哲学者には取るに足らないものに思えるかもしれない。しかし、SFの核心、本質は、もし私たちが救われるとすれば、その救済にとって極めて重要なものとなっている」
解説
この名言は、アイザック・アシモフがSF(サイエンス・フィクション)の重要性について述べたものである。個々のSF作品は単なる娯楽や空想の産物と見なされることが多いが、その背後にある本質的なメッセージや思考実験の価値を見逃してはならないと訴えている。アシモフは、SFが単なるフィクションではなく、現代社会の問題や未来の課題に対する洞察を提供する学問的な意義を持つと考えていた。
アシモフが活躍していた20世紀は、科学技術が急速に進歩し、核兵器や宇宙探査など、人類にとって希望と危機が入り混じる時代であった。彼は、SFがこうした技術や科学の進歩がもたらす影響を予測し、議論を促す媒体であると主張した。SFは未来の可能性や選択肢を示し、人類がどのように対応すべきかを考えるきっかけを与えるという点で、批評家の無理解を超えた価値を持っている。
現代においても、この言葉はますます重要になっている。AIや気候変動、遺伝子編集など、SFが長らく描いてきたテーマが現実のものとなりつつある今、SFは警告としても指針としても機能する。アシモフの言葉は、SFがただの空想ではなく、未来の方向性を探るための実験室であることを示している。
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