「出来事が冒険になるためには、それを語ることが必要であり、十分である」
- 1905年6月21日~1980年4月15日
- フランス出身
- 哲学者、小説家、劇作家
- 実存主義を提唱し、『存在と無』や『嘔吐』を通じて20世紀思想に大きな影響を与えた
英文
“For an occurrence to become an adventure, it is necessary and sufficient for one to recount it.”
日本語訳
「出来事が冒険になるためには、それを語ることが必要であり、十分である」
解説
この名言は、サルトルが出来事と冒険の違いについて述べたものである。彼は、単なる出来事も、それを語ることで「冒険」という特別な意味を帯びると考えている。出来事が物語として語られることで、その経験は他者に伝わり、単なる日常の一部ではなく、特別な経験として認識される。サルトルは、冒険がそのまま存在するのではなく、語ることで冒険として定義され、意味が付加されることを示唆している。
また、この言葉は、物語化と経験の再構築の重要性を強調している。出来事を語ることにより、自分自身や他者がその経験に新たな価値や意味を見出すことができる。つまり、物語として語る行為は、出来事を客観的に捉え、自己の経験として認識し直すプロセスでもある。この視点は、経験を通じて自己理解を深める手段として、物語の力を重視するサルトルの実存主義的な考えを反映している。
さらに、この名言は、人生の経験をどのように捉え、価値づけるかに対する問いかけでもある。日常の出来事も、語られることで冒険や特別なものとして再評価されることができる。サルトルは、この言葉を通じて、私たちが人生をどのように語り、どのように意味を見出すかが、自分の経験を豊かにする鍵であることを示唆しており、人生の一つひとつの出来事に新たな視点や意味を与える力を持つことの重要性を伝えている。
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