「物事とその名前を混同した。それが信仰である」

ジャン=ポール・サルトル
ジャン=ポール・サルトルの名言
  • 1905年6月21日~1980年4月15日
  • フランス出身
  • 哲学者、小説家、劇作家
  • 実存主義を提唱し、『存在と無』や『嘔吐』を通じて20世紀思想に大きな影響を与えた

英文

“I confused things with their names: that is belief.”

日本語訳

「物事とその名前を混同した。それが信仰である」

解説

この名言は、サルトルが本質と表現の違いについて考察したものである。彼は、私たちが日常的に使う「名前」や「言葉」が、必ずしもその本質を完全に表現していないと考えていた。物事に名前を付けることは、その物事を理解したような錯覚をもたらすが、それは単なる信仰に過ぎないと述べている。ここでいう「信仰」とは、外的な言葉に依存して本質を見失う状態を指している。

サルトルは、実存主義の立場から、物事の真の本質は名前や定義だけで捉えることはできないと強調した。名前や言葉は単なる記号であり、物事の実際の意味や価値は、個々の経験や感受性によって異なる。この考え方は、社会や文化によって固定化された概念にとらわれることなく、自分自身で物事を理解し、価値を見出すことの重要性を示唆している。

さらに、この名言は本質的な理解の追求を奨励している。名前や定義に頼ることで、私たちは物事を単純化して捉えがちだが、サルトルはそのような見方を避け、より深い理解を目指すべきだと述べている。これは、現代社会においても、単純なラベルやイメージに惑わされず、本質を見極めようとする姿勢を持つことの大切さを教えている。

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