「有用なものを過剰に生産すると、役立たずな人間が増えてしまう」
- 1818年5月5日~1883年3月14日
- プロイセン王国(ドイツ)出身
- 哲学者、経済学者、政治思想家
- 資本論を著し、社会主義・共産主義思想の基礎を築いた
英文
“The production of too many useful things results in too many useless people.”
日本語訳
「有用なものを過剰に生産すると、役立たずな人間が増えてしまう」
解説
この言葉は、カール・マルクスが過剰な生産と人間の役割の喪失について警鐘を鳴らしたものである。彼は、資本主義が有用な物を次々と生産し続けることで、人々の役割や意義が希薄化し、社会に「役立たず」とみなされる人々が増えてしまうことを指摘している。過剰な生産が労働の分業化や効率化を促進する一方で、労働者が単純労働や機械に取って代わられることで、人間が持つ本来の創造性や主体性が失われていくという懸念が表されている。
現代においても、この考え方は自動化やデジタル化の進展による仕事の喪失や人間の疎外として共感されることが多い。例えば、技術が進歩して生産性が高まることで、一部の労働が機械に置き換えられ、労働者が仕事を失うケースが増えている。マルクスの視点では、資本主義の生産体制が労働者の価値を低下させる傾向があり、結果として人間の意義が機械に依存する危険性があるとされる。
具体例として、製造業での機械化による労働者の削減や、人工知能(AI)による仕事の自動化が挙げられる。これにより、人々が「役立たず」とみなされる状況が発生しやすくなる。この言葉は、物の過剰な生産が人間の役割を失わせるというマルクスの批判を反映しており、経済成長や技術進歩が必ずしも人間の幸福に結びつかないことを示唆している。
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