「ギリシャ哲学は良い悲劇が決して迎えるべきではないもの、つまり退屈な結末を迎えたように思われる」

カール・マルクス
カール・マルクスの名言
  • 1818年5月5日~1883年3月14日
  • プロイセン王国(ドイツ)出身
  • 哲学者、経済学者、政治思想家
  • 資本論を著し、社会主義・共産主義思想の基礎を築いた

英文

“Greek philosophy seems to have met with something with which a good tragedy is not supposed to meet, namely, a dull ending.”

日本語訳

「ギリシャ哲学は良い悲劇が決して迎えるべきではないもの、つまり退屈な結末を迎えたように思われる」

解説

この言葉は、カール・マルクスがギリシャ哲学の終焉についての批判的な見解を表している。マルクスは、ギリシャ哲学が人々に深い感動や示唆を与える「悲劇」のような役割を果たしてきたが、その終焉が期待外れで退屈なものであったと述べている。彼にとって、哲学は時に苦悩や葛藤を伴う探求の旅であり、壮大な結末を迎えるべきものだが、ギリシャ哲学の最後はそうした理想を裏切るものだったと考えた。

この批評は、現代においても哲学や思想がどのように発展し、終結するべきかという議論に通じている。哲学や学問は、人間の理解を深め、社会に影響を与える重要な役割を持っているが、その価値が薄れたり、方向性を失ったりすることで無味乾燥な結末を迎えることもある。マルクスのこの視点は、思想や哲学が単に終わりを迎えるのではなく、意味ある結論に至るべきという考え方を反映している。

具体例として、ギリシャ哲学がアレクサンドロス大王の死後、徐々にその影響力を失い、ヘレニズム時代には哲学が日常の教訓的な内容に変わっていった経過が挙げられる。この変化は、哲学が壮大な探求から次第に現実的な生活指針へと変化したことを意味するが、マルクスにとってはそれが哲学の衰退と映ったと考えられる。彼のこの言葉は、思想が力強い終焉を迎えることの重要性を訴え、人々にとって価値ある問いや結論を残すべきという理想を提示している。

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