「より高次の共産主義社会においてのみ、ブルジョワ的権利の狭い視野を完全に乗り越え、社会はその旗に『能力に応じて働き、必要に応じて受け取る』と記すことができる」

- 1818年5月5日~1883年3月14日
- プロイセン王国(ドイツ)出身
- 哲学者、経済学者、政治思想家
- 資本論を著し、社会主義・共産主義思想の基礎を築いた
英文
“In a higher phase of communist society… only then can the narrow horizon of bourgeois right be fully left behind and society inscribe on its banners: from each according to his ability, to each according to his needs.”
日本語訳
「より高次の共産主義社会においてのみ、ブルジョワ的権利の狭い視野を完全に乗り越え、社会はその旗に『能力に応じて働き、必要に応じて受け取る』と記すことができる」
解説
この言葉は、カール・マルクスが理想的な共産主義社会の実現について語ったものである。マルクスは、資本主義やそれに伴うブルジョワ的な権利が、平等や真の自由を阻むと考えていた。彼にとって「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」社会は、個人の貢献度や資産による区別を廃し、本質的な平等を追求するものであった。
現代においても、この思想は社会福祉や平等主義の理念に影響を与え続けている。福祉国家やベーシックインカムのような取り組みは、社会的弱者の保護と平等の確保を目指しているが、それらは依然として経済的な制約や資本主義的な価値観のもとで行われている。マルクスの言葉は、こうした現実を超えた理想の社会像を示し、真の平等に近づくための道を模索するインスピレーションとなっている。
具体例として、教育や医療の無償化、貧困層への支援プログラムが挙げられる。これらは、資源の再分配により必要に応じた支援を提供する仕組みであり、マルクスの理想を反映した部分も見られる。とはいえ、完全な共産主義的社会の実現は未だ遠い目標であり、経済的な利害や権力構造が依然として影響を与えている。マルクスの思想は、こうした社会の問題に対する理想的な解決策として、時代を超えて考えられている。
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