「人々が選挙があったと知るだけで十分だ。投票する人々は何も決定しない。票を数える人々が全てを決定する」
- 1878年12月18日~1953年3月5日
- グルジア(ジョージア)出身
- 政治家
- 共産党書記長としてソビエト連邦を統治、工業化と集団農業を推進し、第二次世界大戦で連合国側の勝利に導いたが、一方では大粛清と呼ばれる大規模な政治弾圧により多くの犠牲者を出した
英文
“It is enough that the people know there was an election. The people who cast the votes decide nothing. The people who count the votes decide everything.”
日本語訳
「人々が選挙があったと知るだけで十分だ。投票する人々は何も決定しない。票を数える人々が全てを決定する」
解説
この言葉は、選挙における権力の操作と、投票結果の管理に関する冷徹な視点を表している。スターリンの時代、ソ連では選挙が形式的に行われていたが、その結果は体制側が決めるものであり、一般の人々の意思は反映されなかった。この言葉が示すように、選挙の実態よりも、票を管理し、結果を操作する人々が持つ権力が実質的な支配力を持つと考えられていた。この発言は、民主主義の基本的な価値観である「民意の反映」を皮肉的に否定している。
現代においても、選挙の透明性と信頼性は民主主義の基盤を支える重要な要素である。もし投票が公正にカウントされなければ、選挙は形だけのものとなり、市民の意見が反映されない危険性がある。多くの国で選挙監視団や厳格なカウント体制が設けられるのは、公正性を保つためであり、民意が正確に反映されることが民主主義の信頼に不可欠である。この言葉は、票を管理する人々の権力が、いかに選挙結果を左右しうるかについての警告としても理解できる。
この言葉から学べる教訓は、選挙制度の公正性と透明性を保つことの重要性である。選挙は、民意が反映され、社会の正当な代表者が選ばれる場であるべきであり、それを確保するためには、カウントや管理に対する厳しい監視が求められる。真の民主主義を実現するためには、単なる投票行為だけでなく、その結果を公正に取り扱うプロセスも重視する必要がある。
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