「常に人間を目的として尊重し、手段として利用してはならない」

イマヌエル・カント(画像はイメージです)
イマヌエル・カント(画像はイメージです)
  • 1724年4月22日~1804年2月12日
  • ドイツ(東プロイセン)出身
  • 哲学者

英文

“Always recognize that human individuals are ends, and do not use them as means to your end.”

日本語訳

「常に人間を目的として尊重し、手段として利用してはならない」

出典

『道徳形而上学の基礎づけ』(1785年)

Groundwork of the Metaphysics of Morals (Grundlegung zur Metaphysik der Sitten), 1785

この文はカントの定言命法の一つ「人間性の定式」を要約したもの
「自分の人格においても他のあらゆる人の人格においても、人間性を常に同時に目的として扱い、決して単なる手段としてのみ扱わないように行為せよ」

解説

この名言は、カントの人間の尊厳と道徳に関する重要な原則を表している。彼は、人間一人ひとりがそれ自体で価値を持つ存在であり、他者の利益のために利用されるべきではないと説いた。これは、他者を目的そのものとして尊重することが、道徳的に正しい行動であるとする定言命法の一部である。人間を単なる手段として扱うことは、他者の自由や尊厳を無視し、道徳に反する行為とされる。

この考え方は、現代における人権や倫理的な関係の基盤となっている。たとえば、ビジネスや人間関係においても、他者を利益や目的のための手段として扱うのではなく、その人の価値や意思を尊重することが重要である。互いに目的として尊重し合うことで、信頼に基づく健全な関係が築かれ、個人の尊厳が保たれる。

この名言は、他者を尊重し、利用しないという道徳的な姿勢を教えている。人間一人ひとりが価値ある存在であることを理解し、その自由と尊厳を守ることで、共に生きる社会の調和が生まれる。

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