「ほとんどの人が、ある国を『民主主義的』と呼ぶことを称賛と感じるため、あらゆる体制の擁護者が自分たちの体制を民主主義だと主張している。そして、この言葉が一つの意味に縛られると使えなくなることを恐れている」

ジョージ・オーウェル
ジョージ・オーウェルの名言
  • 1903年6月25日~1950年1月21日
  • イギリス植民地時代のインド出身
  • 作家・ジャーナリスト
  • 代表作「1984年」や「動物農場」を通じて全体主義や権力の乱用に対する鋭い批判を展開し、現代文学と思想に大きな影響を与えた

英文

“It is almost universally felt that when we call a country democratic we are praising it; consequently, the defenders of every kind of regime claim that it is a democracy, and fear that they might have to stop using the word if it were tied down to any one meaning.”

日本語訳

「ほとんどの人が、ある国を『民主主義的』と呼ぶことを称賛と感じるため、あらゆる体制の擁護者が自分たちの体制を民主主義だと主張している。そして、この言葉が一つの意味に縛られると使えなくなることを恐れている」

解説

この名言は、「民主主義」という言葉が曖昧に使われ、さまざまな体制の正当化に利用されるというオーウェルの鋭い批判を表している。オーウェルは、民主主義が普遍的に良いものとされるため、独裁政権であっても「民主主義」を主張することが一般的になっていると指摘している。このため、「民主主義」という言葉の意味は曖昧にされ、さまざまな体制の擁護に利用される。つまり、「民主主義」が一つの明確な定義を持つことなく使われることで、その言葉の本来の価値や意味が希薄化し、どんな体制も正当化できるようになってしまうという危険がある。

この現象は、現代の政治においても広く見られる。多くの国が「民主主義」を掲げながら、実際には民主的な価値やプロセスが守られていない場合がある。選挙制度があるだけで民主主義と称したり、国民の声が反映されない政策や体制を正当化するために「民主主義」を利用することもある。こうした状況では、民主主義の本質である市民の自由や参加、権利の保障が軽視され、「民主主義」という言葉が単なるレッテルに過ぎなくなってしまう。

オーウェルの言葉は、「民主主義」という言葉の意味と価値を見失わないことの重要性を教えている。民主主義の本質に立ち返り、その意味が曖昧化しないようにするためには、言葉の使い方に慎重であることが求められる。この名言は、私たちに、真の民主主義の定義と価値を守る重要性を再認識させ、単なるレッテル貼りを超えた民主主義の実現を目指すべきだという教訓を提供している。

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