「私は、レジェンドやタルムード、コーランにあるすべての寓話を信じるほうが、この世界が心を持たずに存在していると信じるよりもましだ」
- 1561年1月22日~1626年4月9日
- イングランド出身
- 哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族
- 近代科学の基礎を築く「帰納法」を提唱し、またイギリス経験主義の祖として後世に影響を与えた
英文
“I had rather believe all the Fables in the Legend, and the Talmud, and the Alcoran, than that this universal frame is without a Mind.”
日本語訳
「私は、レジェンドやタルムード、コーランにあるすべての寓話を信じるほうが、この世界が心を持たずに存在していると信じるよりもましだ」
解説
フランシス・ベーコンのこの言葉は、宇宙や世界の秩序が偶然や無意識のものではなく、何らかの知性や意志によって支えられているという考えを示している。彼は、古代の寓話や宗教的な物語の内容を信じることよりも、この壮大な宇宙が何の意志もなく存在するという無神論的な見解を信じる方が難しいと感じた。つまり、宇宙や自然が持つ秩序や美しさは、偶然だけで成り立つものではなく、そこに「心」や「知性」といった何らかの根本的な意図があるという教訓が込められている。
ベーコンは、宇宙や自然界の複雑さ、そしてその背後にある秩序が、ただの物理的な現象ではなく、ある意志による創造物であると感じていた。このような考えは、宇宙の秩序や生命の存在そのものが、何らかの「心」あるいは「知性」によって支えられているという見解に基づいている。彼は、伝統的な神話や宗教的な解釈が持つ価値を否定することなく、それらが示唆する「知的な意志」の存在の方が、無目的で無意識の宇宙を信じるよりも理にかなっていると考えた。世界の秩序が偶然ではなく、知的な意志による結果であると見るべきだとベーコンは示唆している。
現代においても、この言葉は自然の秩序や生命の存在に対する畏敬の念を再認識させる教訓である。科学が進歩する中で、宇宙や生命の神秘がますます明らかになる一方で、こうした秩序の背後に何らかの意志を感じる考えが広がっている。ベーコンの言葉は、宇宙の複雑さや秩序が何かしらの知的な意志によって支えられていると見る視点の重要性を伝えている。
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