「過剰な力への欲望が天使を堕落させ、知識への欲望が人間を堕落させた」
- 1561年1月22日~1626年4月9日
- イングランド出身
- 哲学者、神学者、法学者、政治家、貴族
- 近代科学の基礎を築く「帰納法」を提唱し、またイギリス経験主義の祖として後世に影響を与えた
英文
“The desire of excessive power caused the angels to fall; the desire of knowledge caused men to fall.”
日本語訳
「過剰な力への欲望が天使を堕落させ、知識への欲望が人間を堕落させた」
解説
フランシス・ベーコンのこの言葉は、過剰な欲望がもたらす危険についての警告を示している。彼は、力と知識という人間にとって重要な要素が、過度に追求されることで逆に破滅をもたらすことがあると指摘している。この考えは、聖書における堕天使やアダムとエヴァのエピソードに由来し、欲望が人間の心を支配することで崇高なものが堕落するというテーマが込められている。
天使の堕落は、力への欲望が過剰になった結果であるとされ、これは力が本来持つ責任を超えて追い求めることで、自己中心的な行動が引き起こされる危険性を示している。一方、人間の堕落は、知識の実を食べることで「禁じられた知識」への欲望が招いたものである。知識は人間の成長や進歩に不可欠なものであるが、それを無制限に求めることで、時に制御不能な結果をもたらし、自らの限界を忘れる危険があることをベーコンは強調している。過剰な欲望は、崇高なものをも堕落させる力を持つのだ。
この言葉は、現代においても重要な教訓である。特に科学や技術の進歩が著しい現代社会において、知識や力が手に入ることで生じる倫理的な課題や制御の必要性が浮き彫りになっている。例えば、人工知能や遺伝子操作などの技術が進む一方で、その無制限な発展や利用にはリスクも伴う。ベーコンの言葉は、知識や力を求めること自体は悪ではないが、限度や責任を伴うものであるという大切な考え方を示している。人間の本質を見失わず、過剰な欲望に振り回されないことで、より良い未来を築くための指針となるだろう。
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