「一部の科学者は、気候変動が北極の前例のない氷の融解を引き起こしており、それが極めて不安定な気象パターンに影響していると考えている。私は、そうした科学者や専門家の声に耳を傾けるべきだと思う」

- 1935年7月6日~
- チベット出身
- 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者
英文
”Some scientists believe climate change is the cause of unprecedented melting of the North Pole, and that effects these very uncertain weather patterns. I think we should listen to those scientists and experts.”
日本語訳
「一部の科学者は、気候変動が北極の前例のない氷の融解を引き起こしており、それが極めて不安定な気象パターンに影響していると考えている。私は、そうした科学者や専門家の声に耳を傾けるべきだと思う」
解説
この名言は、気候変動に関する科学的知見の重要性と、それに基づいた行動の必要性を強調するものである。ダライ・ラマ14世は宗教指導者でありながら、自然環境や地球規模の問題に対しても積極的に発言し、専門家の意見を尊重する姿勢を貫いている。ここで述べられているのは、信仰や思想を越えて、理性とデータに基づいた対応をすべきだという現代的な倫理観である。
「unprecedented melting(前例のない融解)」や「uncertain weather patterns(不確かな気象パターン)」という言葉には、自然の変化が加速し、予測不能な時代に突入しているという危機感がにじんでいる。そして「we should listen(私たちは耳を傾けるべきだ)」という呼びかけには、個人や政治、宗教の立場に関係なく、科学者の警告を真摯に受け止めることが、地球の未来に対する責任であるという強い倫理的メッセージが込められている。
この名言は、気候変動に関する議論が政治的・経済的利害に左右されがちな現代において、科学と倫理を結びつける貴重な声である。未来世代のために今何を選ぶべきか──その判断の軸は、理性と慈悲に裏打ちされた行動であるべきだという教訓が、静かに、しかし力強く響く。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?