「技術は確かに人間の能力を高めたと思う。しかし技術は思いやりを生み出すことはできない」

- 1935年7月6日~
- チベット出身
- 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者
英文
”I think technology really increased human ability. But technology cannot produce compassion.”
日本語訳
「技術は確かに人間の能力を高めたと思う。しかし技術は思いやりを生み出すことはできない」
解説
この言葉は、技術の限界と人間性の不可欠さを示している。科学技術は人間の生活を便利にし、生産性や知識の拡大に寄与してきた。しかし、どれほど発展しても、慈悲や思いやりといった道徳的・精神的価値は技術から直接生み出されるものではない。ここで強調されているのは、技術と人間性のバランスの重要性である。
背景には、20世紀から21世紀にかけての急速な科学技術の発展がある。コンピュータやインターネット、医療技術は人類に大きな恩恵を与えたが、一方で戦争兵器や環境破壊もまた技術によって可能となった。ダライ・ラマ14世はその両義性を踏まえ、倫理や慈悲を伴わない技術は人類に害をもたらす可能性を指摘しているのである。
現代において、この名言はAIやバイオテクノロジーの進展にも当てはまる。AIは膨大な情報を処理できても、思いやりや慈悲の心は持たない。それを人間がどう活用するかにこそ意味がある。したがって、この言葉は、技術を人類の幸福に役立てるためには、人間自身が慈悲や倫理を磨き続ける必要があるという普遍的な指針を示しているのである。
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