「死とは衣服を着替えるようなものだ。衣服が古くなれば、時が来て着替える。同じように、この身体も老いれば、時が来て新しい若い身体をまとうのだ」

- 1935年7月6日~
- チベット出身
- 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者
英文
”Death means change our clothes. Clothes become old, then time to come change. So this body become old, and then time come, take young body.”
日本語訳
「死とは衣服を着替えるようなものだ。衣服が古くなれば、時が来て着替える。同じように、この身体も老いれば、時が来て新しい若い身体をまとうのだ」
解説
この名言は、仏教的な輪廻転生の思想を、極めて親しみやすく比喩的に表現したものである。ダライ・ラマ14世は、死を終わりではなく変化と捉え、「衣服を着替える」という日常的な行為にたとえることで、死に対する恐れや不安を和らげる視点を提供している。この比喩には、肉体は一時的なものであり、本質である「心の流れ」や「意識」は続いていくというチベット仏教の輪廻観が背景にある。
「この身体 become old(身体が古くなる)」という表現は、肉体の老化を自然なプロセスとして受け入れる態度を示している。そして「take young body(若い身体を得る)」という言葉は、死後の転生によって新しい命として生まれ変わるという希望を語るものであり、生と死の循環を肯定的に捉える教えを反映している。
この名言は、人生の終わりや肉体の衰えに不安を感じる現代人にとって、死を恐れず、自然な変化として受け止めるための視座を与える。また、愛する者の死に直面したときにも、それは永遠の別れではなく、次なる旅への出発なのだという慰めを提供する。無常を受け入れつつも、そこに継続と希望を見出す仏教的な死生観の核心が、この言葉に凝縮されている。
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