「中国は世界の潮流に従わねばならない。それはすなわち、民主主義、自由、個人の権利である。遅かれ早かれ中国もその道を進まざるをえない。後戻りはできないのだ」

ダライ・ラマ14世
  • 1935年7月6日~
  • チベット出身
  • 宗教指導者、仏教僧、チベット亡命政府の元首相・精神的指導者

英文

”China has to go along with world trends. That’s democracy, liberty, individual freedom. China sooner or later has to go that way. It cannot go backward.”

日本語訳

「中国は世界の潮流に従わねばならない。それはすなわち、民主主義、自由、個人の権利である。遅かれ早かれ中国もその道を進まざるをえない。後戻りはできないのだ」

解説

この名言は、時代の進展に伴う普遍的価値──民主主義、自由、個人の尊重──を中国にも適用すべきだという強い信念を示している。ダライ・ラマ14世は、チベット問題に関して中国政府と長年対立してきたが、それでも憎悪や暴力ではなく、理性と時代の力によって変革が訪れると信じる姿勢を貫いている。この言葉には、歴史の流れを逆行することはできないという確信と、変化への希望が込められている。

「world trends(世界の潮流)」とは、単なる西洋化ではなく、人間の尊厳と権利を重んじる政治的・倫理的方向性を意味している。中国が経済的に近代化を遂げた今、次に求められるのは政治的・社会的自由の拡大であり、それを拒み続けることは国際社会との隔絶を深めるだけだというメッセージである。「It cannot go backward(後戻りはできない)」という断言は、歴史の大局を見据えた道義的圧力と希望の両面を兼ね備えた一言である。

この名言は、自由を求める全ての人々に勇気を与えると同時に、権力の側に対しては時代に応じた変革の必要性を静かに突きつける。圧政に対する対抗手段として、暴力ではなく普遍的価値と歴史の力を信じるという哲学がここにはある。真の進歩とは、単に技術や経済の発展ではなく、人間性の尊重に基づく社会構造の変革であることを、この言葉は明確に伝えている。

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